関東と関西の桜餅

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まだまだ寒い日が続く長野県、松本市です。今年の桜の開花予想ですが、現状4月9日と予想されております。長野県の桜の開花を目安とする標本木があるのは南信州にあります高遠城址公園ですが、開運堂からすぐの松本城の桜もとても綺麗です。ぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。今回は色と香りで春を感じさせてくれる「桜餅」についてお話させていただきます。

桜餅は2種類あることをご存知ですか?

和菓子の桜餅には、「道明寺」と「長命寺」の2種類があります。桜餅と言われて思い浮かべるものは、お住まいの地域によって違うようです。

「長命寺」は、関東風・江戸風の桜餅
「道明寺」は、関西風・上方風の桜餅

という違いがあります。

関東風と言われている「長命寺」。皮の材料には小麦粉が使われており、小麦粉に水を混ぜて薄く焼いた皮で餡をくるんでおります。「長命寺」と呼ばれているのか由来は諸説ありますが、その一つをご紹介します。
江戸時代に、東京の隅田川沿いにある長命寺では、川沿いの桜の木から落ちる葉の掃除に日々頭を悩ませていました。そこで桜の葉を塩漬けにし、それにお餅を包んだのが始まりと言われております。「長命寺」というお寺で初めて作られたことから、この名前がついたそうです。

一方の関西風の桜餅が道明寺と呼ばれている理由は「道明寺粉」という材料を使用している事に由来しております。道明寺粉とは、もち米を一度蒸して、乾燥させて粗く砕いた物です。これを蒸して色付けしたもので餡を包んで作ります。お米の食感が残るぶつぶつとした食感が特徴です。
道明寺粉の歴史は古く、戦国時代に大阪の道明寺というお寺で作っていた保存食「干飯(ほしいい)」が元になっているそうです。長期間保存ができることから、武士の携帯食として用いられ、水やお湯でふやかすなどして食べられていたそうです。
次第に干飯を挽いて粉にしたものを、「道明寺粉」と呼ぶようになり、それを使った餅が道明寺と呼ばれるようになったそうです。

また、京都の物産をあつめた『京之華』(1926)によると、嵯峨町の奥村又兵衛が「嵯峨名物桜餅」として売り出したのがはじめだったと記されております。桜の名所である嵯峨に桜に因んだ名物を、という思いだったのでしょう。

ちなみに、桜の葉で餅を包む工夫は江戸時代に発案されたと言われております。
道明寺・長命寺に共通しているのが、餅を包んでいる「塩漬けの桜の葉」の存在。桜の葉で包むことで、香り付けだけではなく、お餅の乾燥を防ぐ目的もあることで伝わっております。葉は食べる人と食べない人で意見が分かれるようですが、正式な食べ方は決まっておりませんので、食べる・食べないはお好みによって。香りだけ楽しんで、葉は剥がして中の餅部分だけを食べても構いません。
正解はなく、お好みでお楽しみいただくのが一番です

開運堂の桜餅(関東・関西)

今回ご紹介するのは、「桜餅(関東・関西)」。
開運堂の桜餅は、毎年2月4日の立春から4月上旬まで。一足早い”春の香り”をお楽しみくださいませ。(関東風は2月7日(木)からスタートいたします)なお、お取り扱いは開運堂直営5店舖のみとさせていただきますので、予めご了承ください。


https://www.kaiundo.co.jp/products/detail/2582


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